また君と恋する
結大君だ。

横には、志希や何人かの男子生徒もいた。

「うん、そう」

「へぇ、頑張って。じゃあね」

「ばいばい」

別れを告げて、帰っていく彼らの後ろ姿を見送った。

なんてことない普通の会話。

だけど、私は違和感を覚えた。

気にすることでもないんだろうけど……なんでだろう。

今、一度も志希と目が合わなかった気がする。


今日のアーチ作りを終えて、教室で帰り支度をする。

すると、前の出入口から担任の先生が顔を覗かせた。

「葉石さん、ちょっといいですか」

「あっ、はい……」

私に用だったのかと戸惑いつつも先生について行く。

連れていかれたのは、生徒指導室。
< 407 / 475 >

この作品をシェア

pagetop