また君と恋する
私と志希は、自由時間が被っていない。

わざとそうした────わけではなく。

(たぶん)クラスの一部の女子の『2人を一緒にさせたくない』という画策によるもの。

そういう勢力があるのは重々承知で……。

ただ、今回ばかりは、それに救われた。

私と志希が付き合っていることは、あっという間に学校中に知れ渡っているので、2人でいるところを見られて噂され、お母さん達の耳に入れたくない。

未だに話ができない私がいけないんだけど。

やっぱりどうしても避ける道を選んでしまう。


その日1日、私と志希で交代してみんなを案内し、なんとか無事に終えた。


翌日、文化祭2日目。

「ほんとに志希君と回らなくていいの?」

「うん」

「そっか。それじゃあ、あたしは軽音部の方に行くね」

「いってらっしゃい。ライブ観に行くから」

深丘を送り出す。
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