また君と恋する
ははは……。

と乾いた笑いがこぼれる。

「お幸せに」とだけ残して、その場を去った。

何はともあれ、幸せそうで何より。

逃げるように人通りのない場所に来る。


なんとも思わない。

そう思っていたのに、目の当たりにすると否が応でも感じてしまう。

羨ましい。

いいな、なんて。

モヤモヤして立ち止まっているくせに。そんな風に思う資格なんてないのに……。

やっぱり私も志希と回りたかった。

一緒に楽しみたかった。

みんなを見て、その思いが顔を出した。

これからもずっとこんなつもりなの?

否定されるのが怖いからって付き合っていることを家のみんなに言えなくて、知られないように不自然に振る舞う。

いつまで?


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