また君と恋する
「そーなの? 志希が進路を決めたのは、夏休みが終わってすぐだったけど」

私が志希の進路を知って決めたのは、9月終わりくらい。

夏休みが終わったばかりの頃は、候補がいくつかあった中でこの高校が第1志望かなって話していた。

てことは、その話を聞いた志希がここに決めて、その後、志希の進路を知った私が決めたってこと?

なにそれ。

すれ違ってんだか、巡り合っているんだか、よく分からないや。

「そーだったんだ……」

「2人はずっと両想いだったんだね。最初は、好きな人を追いかけて進路を決めるのは志希らしくないなって思ったけど、その時に『諦めきれないから』って聞いて妙に納得したんだ」

「志希が、そんなことを?」

「うん。だから、付き合ってるって聞いた時は、運命だけじゃなくて努力もあったのかなって思ったよ。志希も葉石も」

諦めきれない。努力。

広田君の言葉を反芻する。


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