また君と恋する
「はい。それじゃあ、1年間よろしくお願いします。この後の予定は、体育館で始業式があります。出席番号順に廊下に並んで順番に体育館に移動し、その後は……」

先生の挨拶から始まったホームルーム。

正直、全然話が耳に入ってこない。

早瀬君が後ろの席にいる、そう思うと。

見られているわけないのに見られている気がして、そんな自意識過剰に恥ずかしくなって、とにかくドキドキして集中できない。

私が後ろの席だったら良かったのに。

そうしたらこんな自意識過剰にならなかったし、もっと後ろ髪もちゃんとセットするんだったと後悔もしない。

それに、後ろの席だったらずっと見てられるのに……。

────って何考えてんの。違う違う。

邪心を捨て、何とか先生の話を無理やり耳に入れる。
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