また君と恋する
「早瀬君!」

呼び止めると、驚いた様子で振り返った。

「なに?」

「今日、結大君達とファミレスにいたよね。女の子も一緒に……」

早瀬君は少し宙に視線を漂わせた後、口を開いた。

「いたな。最初は男子だけのはずだったんだけど、結大の彼女が一緒に行きたいって言うから女子がついてきた。どうして?」

「私もそのファミレスにいたんだけど、早瀬君が女子といるの珍しいなって思って」

「そうなんだ。まあ、俺だけすぐに帰ったよ。ああいうの苦手なんだ」

そっか。

そうだったんだ。

なんだ。胸の痛みなんてこんなに簡単に取れるんだ。

思わず笑みがこぼれた。
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