また君と恋する

4.5

新しい教室で由麻の姿を見た時は本当に驚いた。

と同時に嬉しかった。

何とか平静を装う。じゃないと、横にいるこいつ、結大に何を言われるか分からない。

だけど、黒板に手をついて項垂れる由麻に話しかけただけで疑われるとは思わなかった。

「そっちの子は?」

「葉石 由麻です」

「そっかー。覚えるね。……で、志希とはどういう関係?」

女子との距離感を気にしない結大が由麻に顔を近づけた。

こいつ……。

結大の襟を掴んで由麻から引き離したのは、戸惑う由麻を助けたかったのもあるけど、ただ俺が嫌だったから。

座席表に目を向けた。

早瀬の上に葉石の文字。

「あたしの前の席の空野って、結大君だね」
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