また君と恋する
「じゃあ過去に何人いた?」

「1人だよ。中学の時に1人……」

答えると憐みの目で見られた。

────失礼な奴だな、こいつ。

すると、何気なしに結大が顎に手を添えて考えるポーズを取った。

「待てよ……」

そう呟いたので、何だか嫌な予感がした。

「確か、志希と葉石さんって同じ中学校だって言ってたよな?」

ギクッ。身体が反応する。

「もしかして、元カノって葉石さん?」

俺は結大から視線を逸らした。

────ほんと、こいつ、鋭いんだよな。

「なるほどね。だから、他の子と接し方が違うのか。呼び方が変わるっていうのも葉石さんのこと?」
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