また君と恋する
名前も知らない女性とプチ恋バナで盛り上がった。

名前も知らないから自分の素直な気持ちを話せるのかもしれない。


それからしばらくして早瀬君の姿が見えた。

早瀬君────そう呼び止めるよりも早く。

「志希っ!」

隣に立つ女性が叫んだ。

呼ばれた早瀬君は、女性を見るなり目を見開く。

「はっ?」

「えっ?」

早瀬君と私の驚きの声が重なった。


よく考えれば分かったことなのに。

エトロワールメゾンに用があって、高2(志希君)と中3(湊君)の息子がいるなんて。早瀬君のお母さんって分かるじゃん!

思いっきりお母様に恋バナしちゃったよ。
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