また君と恋する
タクシーの中では、早瀬君のお母さんが大爆笑していた。

「あははは! 面白すぎっ! まさか由麻ちゃんの話の相手が私の息子で、由麻ちゃんもシェアハウスの入居者だったなんて。こんな偶然ってあるんだね!」

ああ……穴があったら入りたい。

「話の相手?」

「私と由麻ちゃんの秘密の話」

「つーか、帰ってくるなら連絡くらい入れろよ」

「連絡しようと思ったらスマホの電池が切れてたの。ほんと助かった。由麻ちゃん、ありがとう」

「悪いな、うちの母さんが迷惑かけたみたいで」

「全然! 迷惑なんて」

あまりの恥ずかしさに、隣に座る早瀬君を見れない。

「ほんといい子。怪しい私に声をかけられても警戒は解かず、でも話を聞いてくれて、冷静に頼れる人に相談できるんだもん。志希、こういう子と付き合いなさい」

お母さんっ?!

うちのお母さんもそうだけど、なんでこうも爆弾発言ばかりするのー!!!!

声にならない心の叫びを乗せて、タクシーは走り続ける。
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