同期はまさかの御曹司?☆ 番外編完結
「今日ね、お兄ちゃんの結納だったの。相手の人は東京の人だからそれで今日ホテルで結納してきたの。」

「あのお兄さんが結婚?!」

「うん。お兄ちゃんめちゃくちゃ彼女が好きだから。好きすぎて付き合ってまだ2年弱なんだけど結婚することになったの。彼女もお兄ちゃんのことが大好きでね、妹の私が恥ずかしくなるくらいラブラブなの。」

「そうか…。」

「昨日突然来たから驚いたけどずっと彼女の惚気でさ。お兄ちゃん結構イケメンだからモテてたんだけど女の人にはあまり興味がないって言うか恋愛に疎かったんだよね。付き合ってたこともあるけど本気になれなかったっていうか。そのお兄ちゃんがあんなに惚気るなんてビックリしちゃった。お兄ちゃんをあそこまで変えた彼女がすごいなって思っちゃった。」

「そうか。」

「相手の両親もとてもいい人でうちの両親とも和やかな雰囲気だったよ。家族が増えたみたいで嬉しかった。彼女の弟さんは私と同い年だったの。」

「うん。」

「ジューンブライドにしたいみたいだから6月なんて後半年。あっというまなんだろうなぁ。ホテル空きがあるのかなぁ。」

「うん。」

「お兄ちゃんのデレデレな顔みたらお父さんもお母さんも苦笑いしてたんだよ。」

「うん。」

「彼女が長野にお嫁に来てくれるんだって。だから半年後には長野に行くみたい。ま、長野も行く気になれば近いからね。お兄ちゃんはウキウキ新居を探してるみたいなの。」

「そうか。」

「こんな話つまらないよね。」

「うん。」

「ごめんね。」

「いや、ごめん、考え事してた!つまらなくない。」

「考え事するくらいつまらない?」

「いや、そういうことじゃない!」

沈黙になりお互い箸をすすめた。
上手い会話が見つからず、俺は無言になってしまった。

ごちそうさま。
俺たちはキッチンで片付けをしてからソファでコーヒーを飲む。
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