花筏に沈む恋とぬいぐるみ
「………ダメ。本人たちに直接聞いてないのに、余計な事を考えてはだめだわ」
花は首を横に振って、1つの推察を頭から無くそうとした。
クマ様は詮索されるのを嫌がっていたのだ。知ろうとしてはいけない。
そう思いながらも、四十九日という言葉が頭をかすめ、どうしても気になってしまう。
花は、頭の中でそんな葛藤をしているうちに、夜も更けてしまい、次の日の朝は寝坊ギリギリの起床になってしまったのだった。
考えすぎて眠れなかった花だが、その眠気は職場に着いた瞬間に吹き飛ぶ事になる。
「乙瀬さん、少しいいかな」
「はい………」
出勤した花は、すぐに支店長である岡崎に呼ばれた。
その表情はとても厳しい事と、近くにいた冷泉が心配そうにしている事、そして他のスタッフの冷たい視線から、何かあったのだと悟った。
それは良い話のはずがない事も。
休憩室やロッカー室は他のスタッフもいるためか、岡崎はone sinのVIPルームに花を通した。