夜明けの光をあつめながら
家の玄関の壁に掛けている時計は、十一時を回っていた。
流石に今日は、帰るのが遅すぎた。
警察官に家まで連行されても、仕方ないかも。

私の扱いは『社会人』けど、まだ十六歳だし。
世間じゃまだ『高校生』と同じ年齢だし。

何よりまだ子供だし・・・・・。

そんな私の帰りを待ってくれていたのか、お母さんはすぐに玄関に現れた。
『怒っているのかな?』って思ったりもしたけど、表情を見る限りは怒ってはいない。

と言うか、全然怒っていない。

一言で言うなら『他人事』のようなお母さんの言い方。

「ああ・・・・、おかえり七瀬?
・・・・どうしたの?
何かあった?
『弱ったような顔』を浮かべているけど」

弱ったような顔か・・・・。
・・・・確かにそうだね。

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