夜明けの光をあつめながら
これは『都市伝説』だけど、この街には極道、つまり『ヤクザ』がいるみたいだ。
組の名前は『北斗会』と言うらしい。

まあでも、私自身はその『北斗会』の人達なんて、見た事ないけどね。
この街で五十年近く暮らすお母さんも、『見たことがない』って言うし。

だからなのか、この街で『悪さを企む人』なんていなかった。
住民もその『北斗会』の存在を恐れているのか、街で『悪さ』が出来ない日々が続いているみたいだし。

ちなみにこれも『都市伝説』なんだけど、過去にその『北斗会』の正体を暴こうと、若い男達が深夜に街を飛び出して、街の中で暴れ回った事があるみたいだ。
『俺達が街で暴れると、北斗会の連中達は必ず現れる』って、リーダーの男は言っていたみたい。

だけどそのリーダーの男が気がついた時には、自分自身は『ボロボロにやられた状態』で、『仲間と一緒に、近くの公園で横になっていた』ようだ。
男達全員の記憶がなかったから、『どうして自分ボロボロの状態で公園で寝ていた』のか、男達全員が理解が出来なかったみたい。

そして『ボロボロにされた自分の姿』を見て、男達は恐れた。
『二度とこの街では悪さは出来ない』と、心に深く刻まれたようだ。

同時に、『俺達は北斗会の連中にやられた』って、理解したらしい。

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