夜明けの光をあつめながら
私のお母さんの星野真由美(ホシノ マユミ)は、全国展開を繰り広げる飲食店の『営業部』に所属する『キャリアウーマン』だった。
部下からの信頼が厚く、上司からも一目置かれていたらしい。

でも近年は『おばちゃんのアルツハイマー』に悩まされ、私が中学を卒業すると共に、仕事を退職。
以後おばあちゃんを見守り、家に篭る生活を送っていた。

まあでも、私が仕事を休みの時は、『パート』で稼ぎに行っているらしいけどね。
本当、『どんな状況でも家族のことを第一に考える、カッコいいお母さん』だと私は思う。

いつか『ありがとう』を、形でお母さんに伝えたい。

ちなみに『私が働いているカフェ』は、お母さんに紹介してもらった。
お母さんとカフェの店長さんは仲がよく、お母さんが私を雇うようにお願いしたら、店長はふたつ返事。
中学を卒業してすぐの四月から、私は働かせてもらった。

『中卒』の私が仕事に困らないのは、全て『お母さんの人脈』のおかげ。

まあでも一応、『ようやく見つけた仕事』って感じだったけどね。
職探しだけで、実は『半年』も掛かっちゃったし。

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