夜明けの光をあつめながら
「もしもし?お母さん?
・・・・見つかった?」

私の声に、電話越しのお母さんはすぐに言葉を返してくれた。
疲れ切った、窶れたような声。

「まあね、なんとか家に連れて帰って来たとこ。
七瀬も早く帰って来て」

「うん。
今出た所だから、十分くらいで着くかも」

「そう。ご飯、温めとくね」

「ありがと」

そう言って私は通話を切った。
私が持つ携帯電話の通話の画面は、待ち受け画面に戻る。

< 17 / 151 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop