夜明けの光をあつめながら
「えーなんだよ。
俺の名前、知らないの?
佐々木伊織(ササキ イオリ)。
初めて会った時、自己紹介しただろ?
星野七瀬さん」

『一ヶ月前』に出会っている佐々木さんの苗字を『昨日』知った私だ。
下の名前なんて、憶えているわけがない。

自信持って言えることじゃないけど・・・・。

「覚えてないです・・・・」

佐々木さんは今度は苦笑い。
なんだか申し訳なくなってきた・・・・。

「まあいいや」

そう言葉を残すと、佐々木さんは別の仕事に取り組んだ。
酷い私の言葉にも負けず、他の従業員に『笑顔を』見せて働く佐々木さん。

・・・・なんか、私とは正反対の人間だ。
どうしてこんな私と絡んでくれるのだろう?
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