夜明けの光をあつめながら
・・・・待つこと更に十分。

佐々木さんがやって来た。
私の元まで小走りでやって来て、佐々木さんは申し訳なさそうに笑みをこぼす。

それと佐々木さんの隣、誰かいる・・・・。

「あ、お疲れ様です・・・・」

そう言って、私はベンチから腰を上げた。

佐々木さんも引き続き『申し訳なさそうな顔』を浮かべて、声を返す。

「ごめん、遅れちゃった。
んで、急遽『妹』が参戦することになったんだけど、いいかな?」

「わ、私は別に・・・・」

その少し緊張した私の声に、佐々木さんは隣の『妹』に視線を移す。

「よかったな夏帆カホ。
挨拶しろよ」

夏帆。
その名前の少女に、私の視線が移る。

佐々木さんによく似た顔立ちで、ショートボブのとても可愛らしい女の子。
でもちょっと不機嫌?

ってか私、睨まれている?

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