願いだらけの私から君へ
 バスに行き座った。見るとこんなに狭い空間に二人なのかと少し驚く。
 初樹が窓側に座り私は通路側に座った。
 バスが揺れるたびに肩がぶつかる。嬉しいのかそうじゃないのか…わからないけど、多分嬉しい。好きな人がこんなに近くにいるなんて。最高だ。
 でも、一つだけ話しかけたかったけど無理な理由があった。
 それは花紀がこちらをずっと見ているから。花紀も初樹が好きなのかもしれない。
 私の斜め前の席なのにとてもこちらを見ている。二人で話してる時も声が聞こえるのか笑ってくる。
 ―女子って怖っ―
 結局あまり話すことができずにバスを降りた。
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