願いだらけの私から君へ
 「そうなんだ、今は?」
 少ししてから初樹はそういったように聞こえた。
 「今?なんでそんなこと聞くの?」
 「気になったから」
 罪悪感に包まれていた私は初樹を見つめることしかできない。
 少ししてから初樹に聞こえているかわからない声で言った。
 「今は好きじゃない」
 居たたまれない気持ちになって逃げ出そうとして玄関の扉を開こうとしたときだった。
 大声が聞こえて膠着した。
 「ごめん!気になったから聞いただけで…。嫌な思いしたらホントごめん!」
 私は何も言わずに初樹の方を向いて軽く笑っただけだった。
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