願いだらけの私から君へ
 昼休みになった。5時間目は器楽で体育館に行かなきゃいけないから、周りには私と初樹と実輝と湧人しかいない。
 私は実輝にいてほしいと頼まれた。湧人はどうなったか知りたいだけのくせに、初樹の保護者だ。と言っていた。
 初樹が私の方を辛い顔で見て言って来た。
 「なんて言えばいいの?」
 「え?」
 私はびっくりしてえ?と言ってしまった。
 「わからないけど、こうゆうのは、思ってることしっかり言ったほうがいいと思うよ」
 思ったことを口にすると初樹は軽く笑った気がした。
 「じゃあ、本当のこと言う」
 そう言って本音を言おうとしたとき、今日室のドアが思いっきり開いた。
 「桜音〜!」
 「碧海?先に行っててって言ったのに!」
 「え…あ〜そうだった〜。で、今どうゆう状況?」
 私は軽くため息をついた。
 「いいから出て!」
 強く言うと碧海は目を見開いた。
 「やだ」
 ピシャリと言われた。キレそうになりながらも冷静になろうと思い、強張った顔で言った。
 「じゃあ、静かに湧人と聞いてて」
 「はいはい」
 そう言ってまた、初樹と実輝を見た。初樹が口を開いて言った。
 「じゃあ✕」
 「え…あ…じゃあ…友達ってことで…」
 「あぁ、うん、いいよ」
 実輝は顔を赤くして泣いて教室を出ていった。初樹の返事に驚いて聞いた。
 「本当に好きじゃないの?」
 「うん…」
 「そっか…」
 「っうわけで…体育館行こ〜」
 湧人がでかい声で言った。  
 「行こ行こー」
 碧海も続けて言った。
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