俺、あなたのリアコです!2
休日のショッピングモールは家族連れなどで混雑している。琴葉ちゃんとはぐれるといけないので、俺は琴葉ちゃんの手をしっかりとつなぎ、指を絡めた。
「あっ、手……」
恋人つなぎになっていることに、琴葉ちゃんは恥ずかしそうにする。俺は「はぐれるといけないから」と笑いつつ、内心ドキドキしていた。
「でも、もしリスナーさんに見つかったらどうするんですか?」
もし、Twitterなどで写真を拡散されたら二人とも炎上間違いなしだ。炎上したらお互い危険に晒される。それでも、俺の中で手を離すという選択はない。
「大丈夫!ちゃんとマスクして変装してるし、もしもバレても「親戚」とか言って誤魔化したらいいから」
俺はそう言って笑うが、琴葉ちゃんはどこか不安そうだ。その足が止まり、俯いて小さく呟く。
「私と関われば、月斗さんに迷惑がかかる」
どうしてそう思うのか、訊くことは何故か怖くてできなかった。踏み込んでほしくないというオーラが出ていたからかもしれない。