愛の行方

「やっばぁ
メール返してない」


太陽がまぶしい
携帯を握ったまま
寝ていた私

学校に行くのが憂鬱











「おはよーっ!」

葉月が朝から
駆け寄ってくる。

「んっ、はよぉ」

「優紀昨日泣いたでしょ」


「えっ…」

「ばか優紀〜
隠さないの!話してみ?」

嬉しかった…
葉月がわかってくれた
それだけが
嬉しかった

だからすべて話した
好きになりそうだ
ってわかってて
近づいたこと
けど高成は柚奈が
本当に好きだってこと
相談相手に
なってしまったこと


葉月は黙って
私の頭を撫でてくれた


「優紀?
誰が告ろうが
誰が好きだろうが
そんなの関係ないよ
相手に見てもらえるかは
優紀の頑張り次第だよ」

「は‥ずきぃい」

「ほら泣かないの!
たぶんHR終わったよ!
1時間目間に合わない!」

「いくぅ…ありがと
葉月…」

「どおいたしまして!」






教室に入れば
一目で分かる高成の姿


葉月のおかげで
普通に話しかけられた


「昨日寝ちゃった!
ごめんね!」

「おっおぅ!」



1時間目は体育

めんどくて
見学した

サッカーが好きな高成

必死に声を張り上げて
走る姿がまた
私の胸をチクリと刺す


「高成、サッカーしてると
カッコいいよね〜」


‥‥……

「そぉかなー」

そこには柚奈と
柚奈となかのいい尚

二人とは同じクラスの
同じ部活

柚奈…今
高成をみてる。

高成、こっち
見ないで…‥‥


心の声が
聞こえてしまったのか
と思ってしまう
くらいにちょうどよく
高成がこっちを
見るんだ、

柚奈の存在に気付き
少し照れてる様子

雨も降っていないのに
私の足元の
アスファルトが
水玉模様を作る





尚の
"カッコいいよね"
に"そぉかなー"
って答えた柚奈は

高成のこと
どぉ思ってるの?



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