極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
「ううん、親にお見合いしてみないかって言われてね。うちの親、若くして結婚したから、私にも早くって思うみたいで」
「そうなんだ。どんな人なの?」
ついウキウキして質問する。
自分の結婚が〝結婚らしからない〟ため、お見合いからきちんと段階を踏むのが少し羨ましくもある。ふたりでしっかりと愛を育み、相思相愛で結ばれるのは美羽にとって理想だ。
「省庁に勤めてるみたいなの」
「わ、エリートだね」
萌子はスマートフォンをバッグから取り出し、写真アプリを開いた。顔写真があるみたいだ。
「この人」
萌子が美羽に見せた画面には、スーツ姿の男性が写っていた。いわゆるお見合い写真のような堅苦しいものではなく、スナップ写真のようだ。
「優しそうな人だね」
写真だけでは断言できないが、穏やかな笑みは好印象だし真面目そうなところもポイントが高い。