極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました

「それでどうするの?」
「まだ悩んでるんだけどねー。美羽はもう結婚相手、探してないの? お兄さんを早く結婚させてあげたいって言ってたじゃない」
「お兄ちゃんの結婚なら決まったの」


結婚式は四月。つまり美羽たちの離婚もそのあたりの予定だ。


「え? だって美羽をひとりにできないって言ってたのに?」


萌子はフォークの手を止めて美羽を見た。


「う、うん。ほら、私も来月には二十六歳になるし、そろそろ大丈夫だって思ったんじゃないかな」
「ようやく妹離れする決意がついたのね」


美羽が結婚していなかったら、大晴はきっとまだ先延ばしにしていただろう。そうしているうちに恋人に愛想を尽かされていたかもしれない。


「そういえば、結婚相手には〝一緒にいて楽しい人じゃなくて、いないと寂しいと感じる人を選びなさい〟って昔、誰かが言ってたっけ」
「いないと寂しい人を?」
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