極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
アプリでおおよその排卵日を確認して、さらに愕然とした。
大晦日。翔と過ちを犯した日がまさにそれに重なっていたのだ。
(で、でも、翔さん、ちゃんと避妊してくれてたし、そんなはずはないでしょ……)
あの夜、彼はしっかり避妊していた。……と思う。そんな仕草をしていたから。
だからきっと妊娠とは違う。きっとたまたま遅れているだけ。このところいろいろあったから、ちょっとしたストレスが原因だろう。
そう自分に言い聞かせる。
「美羽、深刻そうな顔してどうかした?」
向かいから萌子が心配そうに美羽を見る。
「え? あっ、ううん、なんでもないよ」
「そう? 顔色が悪いよ?」
血の気が引く気配は美羽自身も感じていた。
でも妊娠なんて、しているはずがない。
そう否定するのに、鼓動は反比例して速まっていく。耳の奥で共鳴しているみたいにドクドクと音を立てた。
「ちょっと疲れたのかな。で、でも大丈夫」