極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
萌子との食事を終えて自宅マンションへ帰ってきた美羽は、ドラッグストアで買った妊娠検査薬を手にトイレへ駆け込んだ。
避妊していたから絶対に違うとは思うが、念のためはっきりさせておきたかった。不安なままで悩むよりずっといい。
説明書をよく読み、手順に従い使用する。結果が出るまで三分かかるらしく、それをトイレに置いたまま、リラックスするためにお茶でも飲もうと思い立つ。
以前、翔が淹れてくれたカモミールティーにしようと電気ケトルにミネラルウォーターを入れてセットした。いつでも好きなときに飲んでいいと彼が言ってくれていたのだ。
すぐにお湯が沸き、茶葉を入れたティーポットに注ぐ。それを蒸らしている間に、結果を見ておこうとトイレへ向かった。
(きっと違うけどね。たまたま周期が狂っただけ。これまで順調だったのが奇跡なの)
そう何度も頭の中で繰り返しつつ、スティック状の検査薬を手に取った。
瞬間、目が点になる。
(……え、嘘でしょ)
心臓がドクンと大きく脈を打つ。
ふたつある小窓の両方にピンクのラインがくっきりと浮かび上がっていた。