極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました

翌日、幸運にも公休と重なった美羽は産婦人科へやって来た。

説明書を穴が開くほど読み、そこに〝あくまでも目安です。確定診断は病院で受けてください〟と書いてあったのだ。

もしかしたら、なんらかの理由でたまたま妊娠したときのホルモンが分泌されたのかもしれないし、検査薬が不良品だったのかもしれない。きちんと避妊していたのだから、妊娠なんてありえない。きっとなにかの間違いだ。

一縷の望みを託し、尿検査と血液検査を受けて待合室で待っていた。ラックに並べてある料理雑誌を手に取るが、内容はまったく頭に入ってこない。ただページの上を目が滑るだけで気はそぞろ。まったく集中できなかった。

しばらくして診察室へ呼ばれ、先生と向かい合う。
三十代後半くらいだろうか。穏やかな感じのする女性医師だ。先生は、不安そうな表情を浮かべる美羽に優しく微笑んだ。


「妊娠されていますね」


ガツンと頭を一発殴られたような衝撃だった。瞬間的に目の前が実際に真っ暗になった。

昨夜、検査薬で一度結果を見ているにも関わらず、先生の言葉がとてつもない破壊力をもって美羽から言葉を奪う。
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