極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
「コックピットからも見えるよ」
「そんなところから!?」
こちらから飛行機が見えるのは当然だが、操縦している彼のほうから展望デッキにいる美羽が見えるなんて驚いた。見えたとしても人差し指ほどの大きさだろう。
「視力がいいんですね」
「視力が悪かったらパイロットはやっていられないよ」
「あっ、そうですよね」
パイロットは年に二回ある厳しい健康診断をクリアしなければ操縦桿を握れない。視力も重要な項目だ。ライセンスは永久ではなく、半年に一度の技量チェックも欠かせない。
「どうしてこんな場所にひとりで? 休憩室や空港内のほうが涼しいだろう」
「涼しさよりも飛行機を見ていたいんです」
「飛行機がそんなに好きなんだ」
「大好きです」
実感をたっぷり込めて返した。なによりも一番といっても過言ではないが、翔が目を見開いたためオーバーリアクションだったと反省する。