極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
「黒い部分が胎嚢で、白く見えるのが胎芽です。ピコピコと小さく点滅しているのがわかりますか? それが心臓です」
いきなり見せられた映像に動揺する。
ここへは、妊娠していない証拠を求めてやってきたはずだった。おめでたの報告は求めていなかった。
どこかうれしそうに説明する先生と対照的に、美羽は未だに現実が受け入れられない。なにしろほんの数分前までは、疑いこそ持ったものの自分が妊娠しているとは思いもしなかったのだから。
昨日、生理を思い出すまでは、それこそまったくそんな考えなどなかった。
「大きさはだいたい十ミリくらいですね。あずき程度です」
小さな存在が今、美羽の体の中に息づいている。
先生はエコーの画像をプリントアウトし、美羽に手渡した。
ベッドから起き上がり、もう一度椅子に座る。
「あの、今……どのくらいなのでしょうか」
「七週ですね。二カ月の後半に差し掛かります」
「えっ、二カ月?」
生理の遅れは一カ月なのに、妊娠二カ月なのかと聞き返す。