極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
「夫婦らしくするなら逃げるのはおかしくないか」
そのまま腕の中に抱き込まれる。
「そう、でしょうか」
「それにおかえりのキスもまだだ」
翔は美羽を引きはがし、触れるだけのキスをした。
この一カ月の間、何度となくそうされてきたが、美羽はそのたびに息が止まりそうになるほどドキドキさせられている。
夫婦らしくするためのエッセンスだと頭で理解していても、容姿も肩書も極上の男にキスされて心を揺らさない女性はきっといない。
でもふたりの関係は偽物夫婦。この胸の高鳴りが〝好き〟に変わらないように念じ、抑え込むのに必死だった。
「これから食事行こうか」
「だけど長時間のフライトでお疲れですよね」
「かわいい奥さんのキスでチャージしたから全然」
恥ずかしげもなく言われて顔がみるみるうちに熱くなっていく。心の伴わないセリフに容易く翻弄され、美羽は彼の手の平で軽く転がされているのだ。
「でもやっぱり私が作ります」