極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
「でもまぁ、わからなくもないかな」
「本郷さんも飛行機がお好きですか?」
「じゃなかったらパイロットになってないよ」
「それもそうですね」
流れでうっかり聞いてしまったが、愚問もいいところだ。
クスッと鼻を鳴らしながら、翔が「ここ、座るよ」と美羽の隣に座る。
社内どころか空港じゅうの男女が憧れる翔と、同じベンチに隣り合って座るという異次元ともいうべき事態が訪れた。
(同期のみんなに話したら、きっと羨ましがられるだろうな。もしかしたらみんなも、明日からここで食べるって言いだすかも)
思わず頬が緩んで笑顔になる。
「そんなに好きなら、キミもパイロットを目指せばよかったのに」
たしかに最近は女性パイロットも増えつつある。オーシャンエアラインでも機長に上り詰めた女性がいて、その制服姿はとても凛々しく同性からも憧れの的である。
でも美羽は、パイロットになりたいわけではない。