極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました

「で、では準備してきますね」


そそくさと立ち上がってキッチンへ急いだ。

ローストビーフはすでに完成していたため、ミネストローネとミモザサラダを手早く作り、テーブルに並べていく。
その間、翔はリビングで本を読んでいた。

料理が並んだ気配を感じ取ったのか、翔がダイニングにやって来る。


「短時間で作ったとは思えないご馳走だね」


テーブルを見て翔が目を見張る。


「おいしいかどうかの保証はできないので」
「いや、絶対においしいはずだ」
「食べる前からハードルを上げないでください」


美羽の抗議に翔がクスッと笑う。「ワインを開けよう」とワインセラーからボトルを一本取り出してきた。向かい合って座り、準備したグラスに注ぐ。


「ごめんなさい、ワインはよしておきます」
「なんで? 体調でも悪いのか?」
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