極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
美羽の分のグラスにボトルを傾けようとしたまま、翔が心配そうに見る。
「そういうわけではないのですが……」
「それじゃなにかべつのものにしよう」
「自分で持ってきますから」
立ち上がった翔を制して冷蔵庫へ向かう。取り出したのは水出しで作ったお茶のボトルだった。
「それはなに?」
「ルイボスティです」
「珍しいものを飲むな」
翔はルイボスティをワイングラスに注ぎ、美羽の前に置いた。
「じゃ、乾杯」
「無事帰国を祝って?」
グラスを持ち上げた翔に問いかける。
「それと俺の誕生日も」
「えっ! 今日お誕生日なんですか!?」
思いがけない記念日が飛び出してきた。
あまりにも驚いたせいで椅子まで揺らし、ガタンと大きな音を立てる。