極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました

「早速いただこう」


翔はローストビーフにナイフとフォークを伸ばした。

口に合わなかったらどうしようかとハラハラしながら彼の反応を待つ。あんまり見つめたせいで「じっと見られると食べづらい」と笑われてしまった。

それでもめげずに見続ける美羽の前で、翔がナイフで切り分け口に運ぶ。


「……どうですか?」


待ちきれずに聞いたら、翔は「おいしい」と実感を込めて言った。


「よかった。じつははじめて作ったので心配だったんです」
「俺は実験台だったのか」


ホッとしてふぅと息を吐いたら、翔がおどけた口調で不服を申し立てる。


「舌が肥えた翔さんを唸らせられれば、きっとどこに出しても恥ずかしくないですから」
「どこの誰に作るつもりだ。俺以外にはダメだろう?」


翔は美羽に対する責任を愛と思い込もうとしているだけ。そんな言葉に流されてはダメだ。

曖昧な笑顔で返し、美羽もナイフで切り分けて頬張った。
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