極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
聞き返した美羽の肩を掴み、翔がくるりと反転させる。真向かった彼は美羽の顔を覗き込んだ。
「午前〇時まで一緒にいよう。おいで」
「ぁっ」
ベッドまで手を引っ張られる。勢いでストンと座ったら、そのまま毛布の中に引きずり込まれた。
ベッドサイドに手を伸ばし、翔がリモコンで部屋の明かりを落とす。ふっと暗闇に包まれ、翔の体温と香りが美羽を包み込んだ。
向かい合って横になり、美羽を逃がさまいと翔の両腕が抱き込む。美羽は両手を胸の前で小さくまとめていた。
静けさが舞い降り、次第に目が暗闇に慣れてくると、彼の喉仏がすぐそばにあるのがわかる。首筋が脈を打っているのも見え、それが美羽と同じように通常よりも速いリズムを刻んでいるような気がした。
(翔さんもドキドキしてるの……?)
まさかそんなはずはないと打ち消すが、自分の心音と共鳴しているのは錯覚に思えない。それがわかると余計に緊張して、息をひそめ体は強張る。
「美羽」