極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました

薄暗闇の中、彼の瞳に宿った熱にはどういう意味があるのか。その熱に惑わされてはいけないと思うのに、胸は急加速で高鳴っていく。


「翔さ――」


名前を呼んだ瞬間、言葉ごと奪うようなキスをされた。
さっきまでのキスが〝静〟だとしたら、今のキスは〝動〟。唇を食みながら吸われ、息を吸おうとしてわずかに開いた隙間から一気に彼の舌が挿入される。

まだ熱の冷めていない唇に早くも火がついた。


「……っふ」


翔は美羽の頬を撫で、髪をすき、キスの温度を上げていく。


「美羽、舌を出せ」


とろけるほど甘い声で出される指図に抗う術はない。先のほうだけ出した舌を彼の口腔内に引き込まれ、強く吸われた。

交わる吐息が熱くて、意識が遠のきそうになる。

キスで浮かされ、甘い吐息が唇から零れていく。

思いがけず訪れたふたりの時間に、美羽は心を大きく揺さぶられたのだった。
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