極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
大きな秘密と大切な命
大きな秘密を抱えたまま、時間がいたずらに経過していく。お腹の中に宿った命は、日を追うごとに美羽の中で大切な存在になりつつある。
それと同時に、翔に対する気持ちももう誤魔化しようもないほど大きくなっていた。離婚はすぐそこまで迫っているのに心はどんどん囚われ、好きだと認める以外になかった。
そもそも契約的な結婚とはいえ、憧れの人にキスをされ、甘い言葉で抱かれて気持ちをセーブできるわけがない。好きになったらいけないと制している時点で、とっくに好きになっていたのだ。
婚活パーティーの日に彼の提案に乗った軽率な自分が恨めしくて、美羽は深いため息をついた。
「美羽が仕事中にため息なんて珍しい。なにかあった?」
一緒にゲート業務に就いていた萌子が心配そうに美羽を見る。
「ごめん。なにもないよ」
「そう? さっきからしんどそうだけど?」
「ううん、お昼に食べ過ぎちゃったのかな」
胃のあたりを押さえてはぐらかす。