極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
彼は残りの期間で美羽の気持ちを振り向かせると意気込んでいるが、それは自らの過ちを償うため。結婚生活は予定通り、大晴の結婚を無事に見届けたら終わらなければならない。
まだぺったんこのお腹を無意識に撫でる。芽生えつつある母性と先行きの不安との狭間で、美羽の心は激しく揺れた。
搭乗アナウンスを終え、乗客を出迎えて機内に案内していく。すべての搭乗が済み、ゲートが閉じられた。
大きな窓の向こうで離陸準備を終えた機体がターミナルビルからゆっくりとバック走行で離れていく。大きな機体を自在に操っているのが翔だと思うと、胸の奥がなんともいえずそわそわする。
滑走路に向かって旋回していくコックピットの中で、ふと翔が手を振っているのに気づいた。
ドキッとしつつ、ぎこちなく手を振り返す。その表情までは見えないが、じっと見つめられているように感じて頬の温度が上がった。
いよいよ真横を向き、機体の全容を美羽に見せる。その美しさに見惚れるのはいつものことだが、今日はそれ以上の胸の高鳴りとなんともいえない複雑な想いが交錯した。