極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
「……なに、どうかしたのか」
「いえっ……し、仕事はちょっとした配置転換です。ほかの業務もそろそろ覚えてほしいと言われて」
「そうらしいな」
部署が変わる人事異動でなくても、人事部には届け出るものなのだろう。人事マネジャーの兼平が知っていでおかしくない。
「がんばれよ。ところで来月の美羽の誕生日、ふたりでどこかへ行かないか」
お茶を淹れてテーブルに戻ると、翔は唐突に切り出した。
(ふたりでとこかへ?)
目をまたたかせて見つめ返す。
「沖縄でも北海道でも、もちろん海外でも美羽の行きたい場所に。俺の誕生日の分一緒に祝う約束だ」
「旅行するんですか?」
ちょっと外出するというレベルではない。
「でも、ふたりで一緒に飛行機に乗るわけには」