極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
妊娠の陽性判定を受けた二週間後、母子手帳をバッグに詰め、美羽は再び病院へやって来た。
「九週目に入りましたね。まださくらんぼ大くらいですが、よく見るとすでに手足がここに……。わかりますか?」
エコー画像を見ながら医師の先生が説明する。
「はい……」
彼女の言うようにものすごく小さいのに人間の形になりつつあるのがわかり、なんともいえず胸が熱くなる。
(私、この子の母親なんだ……)
二週間前には丸い形のようにしか見えなかったのに、短期間のうちに成長した姿を見て愛しさが込み上げてきた。まだお腹は大きくなっていないのに、着実にここで育っている。
(きっと大丈夫。私ひとりでもちゃんと育てていける)
百合香が言っていたように、ひとりでの子育ては並大抵のことではないだろう。
でも、小さな命が美羽に勇気を与えてくれた。
「先生、私、産みます」