極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
「なにか食べたいものはあるか?」
「んー……」
さてどうしたものか。
「さっぱりしたもの? でしょうか?」
「なんで疑問形?」
クスリと翔が笑う。
「あまり気が乗らないみたいだな」
「そういうわけではないのですが、ちょっと胃もたれが……」
胃のあたりをさするようにして訴えた。
「それじゃ外食はやめよう」
「でも、せっかく待ってくださってたのに」
「外食したくて美羽を待ってたわけじゃないから」
「そうなんですか?」
首を傾げて聞き返す。
(それならどうして何時間も待っていたのかな)
香港便が到着してからは四時間以上が経っている。フライトで疲れているだろうから、早く帰ってゆっくり休みたいだろう。