極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました

「なにか食べたいものはあるか?」
「んー……」


さてどうしたものか。


「さっぱりしたもの? でしょうか?」
「なんで疑問形?」


クスリと翔が笑う。


「あまり気が乗らないみたいだな」
「そういうわけではないのですが、ちょっと胃もたれが……」


胃のあたりをさするようにして訴えた。


「それじゃ外食はやめよう」
「でも、せっかく待ってくださってたのに」
「外食したくて美羽を待ってたわけじゃないから」
「そうなんですか?」


首を傾げて聞き返す。

(それならどうして何時間も待っていたのかな)

香港便が到着してからは四時間以上が経っている。フライトで疲れているだろうから、早く帰ってゆっくり休みたいだろう。
< 190 / 283 >

この作品をシェア

pagetop