極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
翔に同行をお願いされ、美羽は彼の大学時代の友人が主催する年越しのカウントダウンパーティーへやって来た。
高級ホテルのスイートルームで行われるそれは参加資格がカップルや夫婦だったため、困った末の誘いだったのだろう。
そのパーティーの終盤、いよいよ新年を迎えるカウントダウンがはじまり会場のボルテージが最高潮に達する。
みんなで声を揃えて数えた午前〇時ジャストの瞬間、周りの友人カップルたちはお約束事のようにキスを交わしはじめた。
夫婦とは名ばかりの美羽たちは、当然ながらその輪の中でフリーズ状態。キスをせず戸惑っていたら、友人たちがキスコールではやし立てはじめた。
鳴り止まないコールはどんどん大きくなっていく。
半ばそれに乗せられるようにして翔は美羽の肩を引き寄せ――。
またたく間に唇が重なった。
避ける隙なんてなかった。
なにかが変わる予感を覚えたのは夢か幻か。
ふたりにとってはじめてのキスだった。
パーティーがお開きになり、用意された部屋でひとつのベッドに入ったのもいけなかった。
「五、四……」
美羽の了承も待たずに、翔のカウントダウンがはじまる。
――ドクン。