極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
(この旅行が終わるまでは体調を崩しませんように。翔さんにも不審がられませんように……)
美羽がそう祈っているうちに機体は那覇に向けて離陸した。
上空で水平飛行になり、サインが消えると同時にシートベルを外す。やはりお腹を圧迫されるのは気になるため、〝苦しくしてごめんね〟と心の中で呟きながらそっと手をあてた。
「お腹痛いのか?」
「いえっ、違います。大丈夫です」
妊娠に繋がる話題になると焦るため、どうしても早口になる。そのことについて翔になにか感づかれるのが一番怖い。
「ならいいけど、体調が悪いときはすぐに言えよ?」
「はい。……ところで翔さんはほかの人が操縦する飛行機に乗るときって、どんな気分なんですか?」
こういうときには話題を変えるのが一番だ。
「乗客のひとりと同じ」
「そうなんですか? 操縦の仕方が気になったりしないですか?」
「全然」