極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました

(えっ、機長が!? それじゃこの飛行機はどうなっちゃうの?)

ヒヤリとしたものが背筋を駆け抜けた。


「今、操縦桿は?」


焦る美羽と対照的に、翔が冷静に聞き返す。


「副操縦士が握っております」


先ほどの揺れはそのせいもあったのかもしれない。


「機長は戻れそうなんですか?」
「それはなんとも……」


言葉を濁す様子から事の重大さが伺えた。


「ですが、ご安心ください。副操縦士がおりますので」


乗客を安心させようとCAは笑顔を浮かべているが、どことなく不安げな様子は隠しきれてない。もしかしたら機長は相当悪い状態なのではないか。


「私が代わりに操縦桿を握ります」
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