極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました

パイロットの世界で重要なのは時間である。いくら正解を選んだとしても、それまでに一時間も要していては燃料切れを起こしてしまう。
その都度もっとも的確な選択をスピーディーにできなくては、たくさんの乗客の命を守ることはできない。

レーダーで雲を確認すると横に一〇〇キロ、頂上の高さは七五〇〇メートル。通常の那覇への進入だと積乱雲の中を通過していかなければ降りられない。


「どこかに雲の隙間があるはずだ。レーダーを駆使して降下していこう」
「はい」


シートベルトを締めるサインを客室に出し、クリアランス――管制官の承認を要求して機体を降下させていく。

(頼むから無事に通過させてくれよ)

祈る思いで降下を続けていたが、高度が九〇〇〇メートルになったところで状況が変わった。
目の前に迫った雲の中が、ランプを灯したかのように白く光っていたのだ。雷が発生しているのだろう。あるだろうと考えた雲の隙間もほとんどない。


「本郷さん、どうしましょう!」
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