極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
とても心地のいいぬくもりだった。手から伝わるあたたかさが、全身に注ぎ込まれるような感覚がする。
(私、今どこにいるんだっけ……)
ぼんやりする頭の中、突然思い出した。――そうだ、飛行機。
ハッとして目を開ける。するとそこには、美羽の手を握った翔の心配そうな顔があった。
「翔さんっ」
起き上がろうとしたが、翔に制される。そうされてはじめて、自分がベッドに寝ていることに気づいた。
目に入った状況から察するに、ここは病院だ。白い壁と天井、揺れるカーテンは病室そのもの。飛行機で気を失って運び込まれたのだろう。
咄嗟にお腹に手を添える。
(えっ、無事だよね!? まさか――)
嫌な予感に包まれた。
「美羽」
いつもとは少し違う静かな声が、美羽に緊張を強いる。
「お腹の赤ちゃんは!?」