極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました

思わず変な声になる。どうして美羽のバッグに入っているそれを翔が手にしているのか。


「美羽を抱き上げたときに、落としたバッグからこれが出てきた。一瞬目を疑ったよ」
「ごめんなさいっ。で、でも心配しないでください。子どもは私がひとりで育てていくつもりです。翔さんにはなんの迷惑もかけません。だから中絶しろって言わないでください。もちろん認知してくれなんて言いませんから」


口を挟む隙を与えないように一気に言いきる。ここまで早口でしゃべったのは人生初ではないか?というくらいにまくし立てた。それでもまだ足りない気がする。


「だからお願い、翔さん!」
「美羽、ちょっと落ち着け」


あまりに勢いが良すぎたせいか、息はあがり肩が上下する。
翔は宥めるように美羽の手を取った。


「堕ろせなんて言うわけがないだろ」


諭すように優しい声だった。


「……ほんとですか?」
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