極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました

諭すように優しい声が、美羽の強張っていた体から力を抜かせる。


「ほんと」
「ありがとうございます。私、ひとりでしっかり育てていきますから心配しないでください」


翔にはこれ以上責任を感じてほしくない。


「ひとりで育てていくのは却下。結婚してるんだから、なんの問題もない」
「だけど私たち、もうすぐ離婚するのに」


兄の結婚式が終わったあとだから、あと一カ月だ。


「離婚は撤回しようと言ったはずだ」
「責任は取らなくてもいいですから」
「責任どうこうの問題じゃない。俺が美羽と一緒にいたいんだ」


翔の最後の言葉が美羽の反論を封じ込める。
握られた手から伝わるぬくもりが、その言葉に嘘はないと言っているように思えてならない

(ううん、違う。ダメダメ。翔さんはそう思い込もうとしてるだけだから)
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