極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
病院で少し休んだあと、美羽たちは宿泊先のホテルへやって来た。
異国情緒漂うスパニッシュリヴァイヴァル様式の建物は、スカイブルーの海に映えてとても美しい。飛行機の中で見た雲はどこかへ消え失せ、頭上にはビーチリゾートにふさわしい青空が広がっていた。
案内された客室に足を一歩踏み入れた美羽は、思わぬ光景に一瞬言葉を失くす。
「翔さん、この部屋ってもしかして……スイートルーム?」
スタンダードなツインならドアを開けたらすぐにベッドがあるはずなのに、目の前に現れたのは広いリビングだったのだ。
ベッドがどこにも見えない。
「もしかしなくてもそうだけど」
クスクス笑いながら、翔が美羽の手を引いて部屋の奥へ誘う。
最上階の十階でエレベーターを降りたときにまさかとは思ったが、その予感が当たってしまった。飛行機のチケットもホテルも手配をすべて翔に任せていたため、美羽はまったく知らなかった。